「頭痛」カテゴリーアーカイブ

薬物乱用頭痛という便利な言葉

薬物乱用頭痛という便利な言葉が乱用されています。

定義として、薬物乱用頭痛とは、国際頭痛分類第3版では、月に15日以上の頭痛で3ヶ月を超えて鎮痛剤を飲んでいる状態とされています。

薬物乱用頭痛の治療

治療は原因となっている薬を止める事とされています。また、必要な場合には予防薬を用いたり、代替薬を使うよう推奨されています。

問題点

多くの病院やクリニックでは、ただひたすら「痛み止めを飲むのを止めなさい」とワンパターンのように患者さんに告げているように見受けられます。

これだけで終わってしまう所もあれば、さらに、別の鎮痛剤や予防薬を処方する所もあります。

しかし、問題はその新たに処方された鎮痛剤で再び薬物乱用頭痛になってしまうのではないかという点です。予防薬が処方されたとして、ではその薬に副作用や依存性がないかという点も問題です。

また、そもそもなぜ薬物乱用せざるを得なくなったのかを考える事が大事です。

片頭痛は生活習慣病であり、頭痛が増えるに至った経緯とその根本原因を見つける必要があります。必ず何らかの悪化要因が存在するはずなので、そこを解決する事が本質です。

薬物乱用頭痛という便利な言葉に乗せられているだけでは、ただ呪文を唱えているだけの頭痛外来ですね。さらに薬を上乗せするだけでは、本末転倒ではないでしょうか?高価な抗CGRP抗体注射を使うなど、所詮製薬会社の手下になっているに過ぎません。

参考文献

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抗CGRP抗体製剤の限界

抗CGRP抗体製剤の限界について説明します。

CGRPとは?

片頭痛の病態として、Calcitonin Gene-Related Peptide(CGRP)という蛋白質が関与します。何らかの刺激が加わると、脳へ痛みを伝える三叉神経の末端からCGRPが放出され、脳硬膜の炎症を起こして片頭痛を発症します。

CGRP抗体製剤とは?

日本では、CGRPの作用を妨げる抗CGRP抗体製剤(ガルカネズマブ、フレマネズマブ)、CGRPを受け取る受容体を妨げる抗CGRP受容体製剤(エレヌマブ)の3種類が使われています。蛋白製剤のため、内服ではなく注射薬として毎月投与します。いずれも、月に複数回以上の片頭痛がある場合が対象となっています。

中和抗体の問題

抗CGRP抗体も抗CGRP受容体抗体も、体内にない異種蛋白質であるため、それを攻撃する中和抗体が作られます。したがって、こうした薬剤を注射し続けると、いずれは中和抗体により無力化され効かなくなる時期が来ます。これが抗CGRP抗体製剤の限界です。

実際に当院での抗CGRP抗体投与例219例を分析したところ、5回目投与時点で149例が無効、10回目投与時点で188例が無効または中断となっています。中断の理由としては、高額な注射のため経済的理由で中断または副作用による場合がほとんどです。

当院の見解

副作用や費用対効果の点から、当院では抗CGRP抗体製剤や抗CGRP受容体抗体製剤はお勧めしていません。各製薬会社や学会もしきりにメリットだけを強調していますが、実際の現場とはかけ離れたものと考えます。

むしろ、従来からある予防薬の方が、安定した効果がある印象です。新薬ほど、まだ分かっていない副作用や問題点があります。

参考文献

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薬を使わない片頭痛の治療

薬を使わない片頭痛の治療について説明します。

理学治療

理学療法にはヨガなどの有酸素運動1)2)、鍼灸治療3)が含まれます。頭痛の診療ガイドライン2021や各種文献4)5)においても、鍼灸治療の有効性が示されています。

食事療法

頭痛の診療ガイドライン2021において、コエンザイムQ10、ナツシロギク、マグネシウム、ビタミンB2(リボフラビン)は片頭痛予防に有効と記載されています。

これらのサプリメントを利用する他、具体的には以下を参照した食事療法が推奨されます。

そして、食生活の改善により、薬を使わない片頭痛の治療につながると思われます。

ニューロモデュレーション

非侵襲的迷走神経刺激、単発経頭蓋磁気刺激、経皮的三叉神経刺激などの装置を使った治療法があります。また、従来の薬物療法との併用も可能です。薬物療法に劣らない有効性が示されていますが、現在日本では保険適応となっていません。

行動療法

リラクゼーション法、バイオフィードバック法、認知行動療法などが試みられています。

参考文献

薬を使わない片頭痛の治療は、薬が無効な方、副作用のある方、妊娠中の方では試す価値があります。

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風邪の後に続く頭痛

風邪の後に続く頭痛の原因としては、いくつかの疾患が考えられますが、この中に可逆性脳血管攣縮症候群があります。

この疾患は、通常何らかの誘因(息止め動作、入浴、興奮など)があって発症します。しかし、風邪がきっかけで発症する理由は、調べた限りではこれまで報告されていません。

風邪の後に続く頭痛の患者さんに問診をしてみると、ほぼ全て、過去に新型コロナウイルスワクチンの接種歴があります。中には、新型コロナウイルスに感染してから頭痛が続くという方もいらっしゃいます。しかし、PCR検査の不確実性からして、本当にウイルスの感染かどうかは疑わしいものです。

新型コロナウイルスの表面には、スパイク蛋白というトゲのような構造があります。一方、このワクチンはそのスパイク蛋白を体内で産生して抗体を作らせる作用です。本ブログの記事を参考にしてください。

スパイク蛋白は、血管内皮細胞を障害して可逆性脳血管攣縮症候群を生じます。1)2)3)

ウイルス由来でもm-RNSワクチン由来でも、同様の病原性があるとする報告もあります。4)こちらのサイトでは、日本語でより分かりやすく解説しています。

ワクチンによって作られたスパイク蛋白は、長期間体内に存在するという文献も出ています。5)

ワクチン接種後発熱した方は多く、何らかの免疫異常による体内の炎症とされています。

これはあくまで推測です。風邪で可逆性脳血管攣縮症候群を発症したのではなく、長期間体内に存在するスパイク蛋白が風邪のような炎症反応を生じさせ、血管を障害した結果ではないかと考えます。

参考文献

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片頭痛を治す生活習慣

片頭痛を治す生活習慣とは何か?

できれば薬に頼らずに片頭痛を治したいというのは、誰しも共通の願いかと思います。片頭痛は遺伝的な要因もありますが、生活習慣病でもあります。したがって、生活習慣を一つひとつ見直していけば、改善の余地が出てきます。

食生活の改善

食事と片頭痛とは密接に関係しています。そこで、実際の例をいくつか挙げましょう。

(例1)中国へ単身赴任

40代男性、10代の頃から片頭痛あり。社会人になって、会社の命令で中国へ10年間単身赴任となりました。その間、たびたび接待で酒と中国料理を口にするようになりました。普段の食事も基本的に中華で、ほぼ毎日のように頭痛と吐き気で苦しんだとの事。任期が終わり帰国してから、嘘のように頭痛が減ったようです。つまり、原因はグルタミン酸ナトリウムです。

(例2)ハンバーガーショップ通い

20代男性で片頭痛持ち。若い男性にありがちで、外食が多く、特に某バーガーショップには週に3日は行っていたとの事。外来受診時に、それを止めるよう伝えました。実行したところ、頭痛の回数が半分に減ったと報告してきました。つまり、原因はバーガーバンズ(グルテン)や様々な食品添加物です。

(例3)無添加無農薬で体調良好

50代主婦で30代の頃から片頭痛。更年期とストレスがきっかけで片頭痛が悪化。たまたまインターネットで食品添加物の弊害に目がとまり、食事療法を始めました。

  • 有機栽培の野菜にこだわる
  • 加工食品やインスタント食品を止める
  • 小麦を使った物を止める
  • 養殖魚や輸入肉を止める
  • アルコールは機会飲酒のみ

これらを徹底した事で、片頭痛は激減、日々体調は良くなってきたとの事。つまり、グルテンフリーと有害物質を絶った事が功を奏したと思われます。

片頭痛を治す生活習慣では、食生活の改善が最も大事です。

自律神経系のコントロール

自律神経は、

  • 交感神経系:心身を興奮、緊張させる役割
  • 副交感神経系:心身をリラックスさせる役割

の2つのバランスで保たれています。ストレスは交感神経系を刺激して、片頭痛を起こしやすくします。したがって、日常的に副交感神経系を優位にしてストレスを回避する事が有効です。

人それぞれ好みはありますが、運動はその有効な方法の1つです。筋トレのようなハードな運動は頭痛を悪化させる場合もあります。無酸素運動は悪化要因となるので、有酸素運動としてヨガなどがお勧めです。また、早起きして、日々の散歩で自然を感じるのも良いでしょう。

デジタル端末の問題

片頭痛の方は光過敏の傾向を持っています。現代社会は、PCやスマホなしでは成り立たなくなっています。デジタル端末のバックライトはLEDであり、明るいLED照明を至近距離で見続けている状態となります。ブルーライトという強烈な電磁波により、脳が刺激され続けて悲鳴を上げ、片頭痛が誘発されます。

画面をできるだけ暗くし、画面との距離を放し、見る時間を短くする努力が必要です。具体的方法を参照してください。片頭痛を治す生活習慣で、食事の次に大事です。

最近では、5Gを超えた6Gや7Gといった生物兵器まがいの電磁波も登場しています。世の中の動向に注目していきましょう。

睡眠の質

片頭痛では、脳が過敏状態・興奮状態となっています。PCがフリーズした時、再起動を行うと調子が戻る事はご存じでしょう。人間の脳も同じです。したがって、質の良い睡眠をとる事は、脳のリセットを行うための大事な行動です。

脳が興奮して寝付けない時、以下を実行してみてください。

  • 寝る前2時間はスマホを見ない
  • アルコールは覚醒作用があるため適度に
  • 軽いストレッチを行って副交感神経優位に
  • 目をつぶって自分の呼吸を感じてみる

睡眠は長さだけではありません。朝スッキリと目覚める事のできる睡眠の質も大事です。

参考

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鍼灸治療

鍼灸は、薬を使わない片頭痛の治療として、有効な治療法の1つと思われます。

片頭痛の鍼灸治療

鍼灸治療の片頭痛に対するメカニズムは、海外でもかなり研究されています。西洋医学は、基本的に薬を使って症状を楽にするものです。当然、どんな薬にも副作用があります。片頭痛の予防薬は長期間服用し続ける必要があり、また、後から副作用が出る事もあります。

また、西洋医学に対して東洋医学は、自然治癒力を重視し、体質改善を目標とします。さらに、東洋医学では「未病」(病気になる前の状態)も対象としています。

特に、薬が副作用で使えない場合や効果がない場合、妊娠中や授乳中の場合など、鍼灸治療は選択枝の1つでしょう。

参考

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目の奥が痛くて眼科を受診

目の奥が痛くて眼科を受診する方は多いと思います。

眼科での診察

眼科で様々な検査をしても異常が見つからず、PCやスマホの見過ぎによるドライアイと言われてしまう事があります。しかし、日本眼科学会1)やドライアイ研究会2)によれば、確かにドライアイで目の痛みはあるものの、目の奥ではありません。

当院のこれまでの経験では、目の奥が痛くて眼科を受診する方のほとんどが片頭痛と考えます。PCやスマホから出るブルーライトによって片頭痛が誘発されている可能性があります。

参考

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緊張型頭痛と片頭痛

緊張型頭痛と片頭痛について考察してみましょう。 

 緊張型頭痛の特徴

肩こりからくる頭痛と言われています。以下のような特徴です。しかし、原因ははっきり解っていません。

  • 女性にやや多い。
  • 片側の事も両側の事もある。
  • 前頭部、こめかみ、後頭部の痛み。
  • 締め付けられるような痛み。
  • PCの画面を見ていたりすると肩こりが原因となる。
  • ストレスで悪化する。

片頭痛の特徴

脳血管の収縮と拡張によって生じ、以下のような特徴があります。片頭痛の症状をご参照ください。

  • 女性に多い。
  • 片側の事も両側の事もある。
  • 目の奥、こめかみ、後頭部の痛み。
  • 脈打つ痛みも締め付けられるような痛みもある。
  • 肩こりから始まる事が多い。
  • 吐き気や嘔吐を伴う場合がある。
  • めまいを伴う事もある。
  • 光や音に敏感になる。
  • 気圧や気温の変化で悪化。
  • PCの画面を見ていて痛くなる。
  • ストレスで悪化する。

緊張型頭痛と片頭痛の共通点

それぞれの特徴を見比べてみてください。そして、いくつか共通した部分がある事がお解りでしょうか?

当院の経験からして、緊張型頭痛という頭痛は存在せず、片頭痛の一面を見ているに過ぎないと考えます。

片頭痛はメカニズムがかなり研究されて解ってきており、治療薬が様々開発されています。一方、緊張型頭痛については、明解に説明できる原因が未だありません。実際、他院で緊張型頭痛と言われて治療効果がなく、当院で片頭痛の薬が効いたというケースが多いのです。

参考

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片頭痛の症状

片頭痛の症状は、緊張型頭痛と違い多彩です。

痛み方

  • ズキンズキンと脈に合わせて痛い
  • 脈打たず、鈍い痛みが続く時もある
  • 刺されるような鋭い痛みの場合もある
  • 朝起きた時に痛む場合がある
  • 頭を振ると痛い場合がある
  • 頭を下げると痛みが強くなる

痛みの場所

  • 片側の時、また両側の時もある
  • 目の奥、こめかみ、後頭部などが痛い
  • 首や肩、時々歯も痛くなる
  • 髪の毛や顔の皮膚がピリッとする

痛みの強さ

  • あまりの痛みで、仕事にならない
  • 痛くて寝込んでしまう
  • 運動、入浴、飲酒で悪化する

頻度

  • 平均的には月に1〜2回、多い時は毎週
  • 半日〜3日位で治まる
  • 女性では月経の時に多く、更年期に悪化する

頭痛以外の症状

  • 吐き気を伴い、嘔吐する事もある
  • めまいや立ちくらみを伴う
  • 乗り物酔いしやすい
  • 視野に光が見える事がある(閃輝暗点)
  • 頭痛の前に、肩や首がこる
  • 倦怠感
  • イライラする
  • 体がむくむ
  • 眠気やあくび
  • 食欲が通常以上に出る

悪化する時期

  • 夏の日差しの強い時に多い
  • 寒暖差により生じる
  • 気圧変化、つまり梅雨や台風の時期に多い

生活環境からの影響

  • PCやスマホ、テレビの画面がまぶしい
  • 音をうるさく感じる
  • 臭いが鼻につく
  • 混んでいる電車、あるいは人混みに行くと痛くなる

片頭痛の症状には、頭痛がなく吐き気やめまいだけの事もあります。また、前兆である閃輝暗点だけの事もあります。

参考

  1. 国際頭痛分類第3版
  2. 日本頭痛学会 – 片頭痛/片頭痛の治療

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