抗CGRP抗体製剤の限界

抗CGRP抗体製剤の限界

抗CGRP抗体製剤の限界について説明します。

CGRPとは?

片頭痛の病態として、Calcitonin Gene-Related Peptide(CGRP)という蛋白質が関与します。何らかの刺激が加わると、脳へ痛みを伝える三叉神経の末端からCGRPが放出され、脳硬膜の炎症を起こして片頭痛を発症します。

CGRP抗体製剤とは?

日本では、CGRPの作用を妨げる抗CGRP抗体製剤(ガルカネズマブ、フレマネズマブ)、CGRPを受け取る受容体を妨げる抗CGRP受容体製剤(エレヌマブ)の3種類が使われています。蛋白製剤のため、内服ではなく注射薬として毎月投与します。いずれも、月に複数回以上の片頭痛がある場合が対象となっています。

中和抗体の問題

抗CGRP抗体も抗CGRP受容体抗体も、体内にない異種蛋白質であるため、それを攻撃する中和抗体が作られます。したがって、こうした薬剤を注射し続けると、いずれは中和抗体により無力化され効かなくなる時期が来ます。これが抗CGRP抗体製剤の限界です。

実際に当院での投与例219例を分析したところ、5回目投与時点で149例が無効、10回目投与時点で188例が無効または中断となっています。中断の理由としては、高額な注射のため経済的理由で中断または副作用による場合がほとんどです。

当院の見解

副作用や費用対効果の点から、当院では抗CGRP抗体製剤や抗CGRP受容体抗体製剤はお勧めしていません。各製薬会社や学会もしきりにメリットだけを強調していますが、実際の現場とはかけ離れたものと考えます。

参考文献

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